GOTには、さまざまな魅力をもったキャラクターが登場しますが、その中でもとびきり目立つのが、ラニスター家のサーセイです。今回は物語の中でも重要な役割を担うサーセイについて語っていきましょう。
※ストーリーの重大なネタバレがあります。ご注意ください。
“私は気分が良くなることをするの。
―サーセイが、セプター ウネラ に送った言葉
心地良くなるから、お酒を飲む。
捨てれば清正するから、夫を殺す。
幸せを感じるから、弟と肉体関係を持つ。
そして、この関係を隠し続けるー
いまいましい偽善者たちから
私たちの息子の安全を守ることが、生きがいだから。
あなたが敬愛するハイ・スパローと、とりまく信者、
汚い兵士どもを殺したのもそう。
焼け死ぬのを見るのは快感だった。
奴らのショックと痛みを想像するだけで、
過去にない悦楽をえたわ。“
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私が法律! スーパーわがままお姫様
サーセイはシーズン1の第1話から、シーズン8の最終話まで登場する物語のキーマンの1人。初登場のときは、七王国の王ロバート・バラシオンの妻でした。つまり、王妃です。
美しく聡明で、スターク家の長女サンサなどはすっかり魅了されてしまいます。しかし、彼女はもうそのとき、夫であるロバート・バラシオンを裏切って双子の弟、ジェイミー・ラニスターと肉体関係を持っていたのです。
……しょっぱなから容赦がありませんね。
しかも、彼女と弟は1シーズン第1話のラストで「情事を見られた」という理由でスターク家の次男ブランを塔から突き落とし、半身不随にさせてしまうのです。
黒い……黒すぎる。
また、サーセイは「私は気分が良くなることをするの。心地良くなるから、お酒を飲む。
捨てればせいせいするから、夫を殺す。幸せを感じるから、弟と肉体関係を持つ」と堂々と言い放ってもいます。ちなみに、彼女には3人の実子がいますが全て弟との子どもで夫との子どもではありません。まさに私が法律!! 天上天下唯我独尊ですね。
やられたら倍返し、やられなくても倍返し 笑
サーセイは、七王国で権勢をほこる家系の1つ、ラニスター家出身です。
ラニスター家には「ラニスターは借りを返す」という物騒な家訓があります。サーセイは作中でその家訓を忠実に実行していきます。たとえば、シーズン1では何かと目障りなネッド・スタークを罠にはめて処刑しました。シーズン6では、自分を辱めた教団の本拠地を信者ごと全部爆薬で吹っ飛ばしています。
まさに、「やられたら倍返し!!」半沢直樹も真っ青です。
なお、彼女はやられなくても気に入らない人には冷たく当たります。自分の弟であるティリオンを「出産で母を殺した」とさげすみ、息子の妻になったサンサには父親が自分に逆らったという理由でいびり倒します。やらなくても倍返し、ですね。
でも、彼女は幸せになれなかった
さて、そんなやりたい放題、わがまま放題のサーセイさんですが、実はちっとも幸せではありません。
母→弟の出産で死亡
夫→浮気三昧でさっさと死んでしまう
長男→冷酷で暴力的な男に育ち、毒殺される
長女→異国に嫁いで毒殺される
次男→宗教に救いを見いだしたが、サーセイが本拠地を爆破してしまったので世をはかなんで自殺
父→弟（ティリオン）に殺される
どうですか、正に不幸のフルコース。愛する人は常に彼女を置いて去って行ってしまいます。「こんな日々が続けば、お酒に逃げたくなるよ」と同情しちゃいませんか？
それに、「次は自分の番かも」と怖くなってもおかしくありません。それでも彼女はあきらめません。
幸せを求めて孤独に彷徨い続けるのです。
ここまでの悪女が不幸になると普通はスッとするんですが、サーセイの場合は見ているうちにかわいそうになってくるから不思議です。
最後まで誇り高く
さて、そんなサーセイの最後ですが、彼女の富と権力の象徴であったお城で、ガレキの下敷きになって死んでしまいます。
最後まで自身の幸せだけを追い求め、他人を顧みなかった彼女にふさわしい死に様でしたが、その傍らには一度は別れてしまった双子の弟、ジェイミーがしっかりと寄り添っていたのです。
そして、彼と彼女の遺体を発見し、泣きながら弔ったのは、彼女がずっとさげすんでいた弟のティリオンでした。
まとめ
天上天下唯我独尊を貫き通し、最後までわがまま一杯に振る舞った彼女でしたが、もしあれほどの不幸に見舞われなかったら、裕福な家に生まれたお姫様として幸せな一生を過ごしたかもしれません。
しかし、そうであったら彼女の強烈で毒々しい魅力は生まれなかったでしょう。
GOTは本当に人物の書き方がうまい。まだ未視聴の方はぜひ見てみてくださいね。
