では、楽をしながらお金を貯めることは不可能なんでしょうか。
いえそれを実現させる合法的な方法が1つだけあります。しかも誰でも簡単に出来る方法が。
それが今回のテーマである固定費の見直し&削減です。
というわけで今回の記事では、固定費のイロハから削減の仕方まで紹介いたします。
一見すると地味なテーマですが、実践してみるとその効果を十二分に体感できるでしょう。
面倒くさがり屋はとりわけ必見ですよ。
固定費と変動費の違い
家計から出ていくお金には大まかに分けて2種類の支出があります。
固定費と変動費です。
まずはこの2つの違いを把握しておきましょう。
固定費とは毎月必ず支払わなければいけないお金のこと。
毎月ごとに若干の額の変動はあるものの、ある程度固定化された費用は大体これに該当すると考えておけばOK。
家賃や各種税金、ローン返済などが代表的な固定費です。
一方の変動費とは、毎月のように変動があるお金のことで、「やりくり費」と呼ばれることもあります。
この費用はその名の通り変動が激しく、我慢すればすぐに効果が出やすいのが特徴。
ただし、無理をし過ぎるとストレスが貯まりやすいという側面もあります。
食費や娯楽費などがその代表。
固定費と変動費では、それぞれに節約の取り組み方や考え方が違うため、節約をする場合この2つを分けて考えておくとなんだかんだ便利です。
そしてこの記事では変動費ではなく、固定費の削減方法を解説しています。
理由は、変動費を削減するよりも固定費を削った方が得られるメリットが大きいから。
変動費を減らすのは多くの場合努力が必要となりますが、固定費の削減はそこまでの努力を要しません。
しかしその割に節約効果は大きく、大袈裟を承知で言えば、寝てるだけで大きなお金を浮かすことが出来る楽さとお得さがあります。
まさしく面倒くさがり屋にもってこいの節約法だと言えますね。
固定費削減のメリット
固定費削減のメリットは主に2つ。
無理せず簡単に行える
変動費とは違い、固定費の削減は継続して頑張る必要もなく節約の効果を得られます。
一方、変動費を削減しようと思ったら基本我慢の連続です。
例えば食費を浮かそうとするなら、食べる量を減らすか食材費を抑えるかしかなく、どちらにしろ食生活は質素になるでしょうし、強制的に我慢を強いられます。
また娯楽費を削るなら、趣味やストレス発散のためのお金を節約する必要があり、こちらも我慢をしなければいけません。
私もやってみたことがありますが、正直これはかなり辛いものがある^^;
それにそこまでして節約をするのは却って不健全ですし、人生の楽しみを排除しているようなもの。
ストイックにやれる人は問題ありませんが、大抵の人間はいつか爆発してしまうでしょう。
それに比べて固定費の削減は1回の手続きで完了する場合がほとんど。
家賃を下げようと思ったら引っ越せばいいだけですし、公共料金を下げたければ業者をチェンジすれば済む話です。
このように固定費削減は変動費に比べ、無理せず取り組めなおかつ努力を維持する必要もないため、ハードルが低いと言えます。
つまり、誰にでも簡単に取り組めるのが固定費削減のメリットなのです。
長期的に見ればかなりお得
固定費削減は取り掛かるのがイージーな節約法ながら、長期的に取り組めばかなり大きなお金を節約できます。
例えば、毎月1万円固定費を削減できたとすると年間で12万円、20年間だと240万円になりますよね。
そして月に2万円削減できれば20年で480万円となります。
月2万円分の固定費を見直すだけで、20年後には480万円が自分の手元にある状態になるわけです。
まぁ当たり前っちゃ当たり前の話ではありますが、固定費の削減は早いうちから長く続けていくほど、大きな節約効果が見込まれる節約術だと言えるでしょう。
ちなみに、中には「月2万なんて削れるわけない!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、節約をすでに実践中の人ならともかく、節約を意識せずに生活をしている人は削れるところが多いので、2万円くらいなら割とすぐ削減出来てしまいます。
ですのでその点は心配無用。
4つの削減方法
いよいよここからは、実際に固定費を下げる方法を4つほど紹介していきます。
一応分かりやすいように優先順位の高いものから順に紹介していきますので、削減するなら上から順に実践していくとより効果を実感しやすいと思います。
1.住宅費の見直し
住宅費は人生で1番大きな出費です。
ここは真っ先に削りましょう。
持ち家の場合
持ち家があって住宅ローンを支払っている人の場合は、以下2つの方法を用いて住宅費を見直すといいです。
1.借り換え
まず考えられるのは、今利用している金融機関より住宅ローンの金利が低い金融機関に借り換えるという方法。
例えば、残債が2000万円、金利2%なら、新しく金利1%の銀行に2000万円を借りて、今使っている銀行に2000万円返済するみたいな感じ。
これにより総返済額を減らすことが出来ます。
ただし、手続きに費用がかかることもあるため、借り換え後の総返済額と照らし合わせてお得かどうか確認しておく必要があります。
2.金利交渉
こちらは利用中の銀行に「金利を〇〇%まで下げてほしい」と直談判する方法。
ただし、愚直にお願いしても却下されるだけらしいので、交渉を有利に進める材料を事前に集めておくといいでしょう。
その材料とは他行の事前審査の結果。
事前審査の結果を盾に交渉を行えば、相手にプレッシャーをかけられ上手くいく可能性が上がります。
この方法がうまくいけば、手続きの費用を支払うことなく金利を下げられますから、トライする価値は多いにあります。
賃貸の場合
賃貸で家賃を支払っている人の場合は以下2つの方法を使いましょう。
1.家賃の低い所へ引っ越す
簡単に住宅費を下げたいのなら、家賃の低い物件に引っ越すのが最も手っ取り早いですね。
安く物件を借りるポイントは、都心部からやや離れた場所を選ぶか、築年数の古い物件を借りるのが王道。
それだけで家賃を大きく抑えることが出来ます。
2.値下げ交渉
「そう簡単には引っ越しできないよ」という人は、大家さんに交渉して家賃を値下げしてもらうのも1つの手。
実際に出ていかずとも、それとなく退去を匂わせつつ値下げ交渉を行えば成功する確率を上げられます。
ここは言ったもん勝ちですから、遠慮せずに交渉しちゃいましょう。
実家暮らしが最強!
余談ですが単身者の場合なら、実家に住むのが最も効果的な固定費削減法になります。
なんせ住宅費が一切かかりませんからね。
勤めている会社の場所、親の許可、この2つの問題をクリアできるのであれば、実家暮らしを検討してみてはいかがでしょうか。
もしかすると恥やプライドがある人もいるかもしれませんが、そんなものの為に毎月高い住宅費を払い続けるのは馬鹿げています。
頑張って働いて得たお金を大家に支払うのは何とも無駄です。
詳しくはこちらの記事にまとめているので暇があれば読んで頂きたいのですが、実家暮らしほどコスパのいい固定費削減法を私は知りません。
2.保険料の見直し
保険料は住宅費に次いで人生で2番目に高い買い物だと言われています。
ここも突っ込んで見ていけば、削減できる余地は大いにあります。
まずは一般的な人が毎月支払っている保険の種類を見てみましょう。
・健康保険(国民全員加入)
・年金(国民全員加入)
・介護保険(40歳以上の人全員)
・生命保険&医療保険(任意)
・損害保険(火災保険、自動車保険など)
うん、めっちゃ多い^^;
これだけあると毎月の保険料は嵩んで当然。
たださすがにここで全ての節税法(節税できないのもある)を解説していると長くなるので割愛させて頂きますが、無駄な分をスリム化させていかないと、お金がどんどん出ていってしまいます。
特に生命保険や医療保険は無駄になりやすい保険ですから、本当に必要かどうかよく検討したうえで加入すべき。
というか身も蓋もないことを言ってしまえば、これらの保険は入らなくていいと私は考えています。
生命保険に関してはわざわざ保険に入らなくても自分で貯金しておけばいいだけですし、医療保険に関しては健康保険に入っていれば誰でも高額療養費制度が受けられるので必要ありません。
どちらにしろ、メリットらしいメリットがない割に無駄になりやすいのが両保険。一般的な人は入る必要はないと思いますよ。
とにかくこの項で大切になるのは、少しでも安くする方法はないか調べることと自分の頭で考えて決断することです。
保険料も見直せれるだけ見直しておきましょう。
3.通信費の見直し
通信費は最も簡単に見直せる固定費です。
特にケータイ使用料は、すぐに抑えられて効果も大きい。
具体的には、今話題の格安スマホを利用するのが得策。
ちなみに知らない人に簡単に説明すると、格安スマホとは大手キャリアからMVNO(サービスを提供する業者のこと)に鞍替えすることで利用できるサービスのこと。
格安スマホという特定のものは存在せず、MVNOの発行する格安SIMという専用のカードを、現在使っているケータイに差し込むことで月々のケータイ使用料を約3分の1にまで抑えられます。
格安スマホは1回の手続きをするだけで大幅な費用削減が見込まれる節約法ですから、やらない手はないですね。
4.公共料金の見直し
公共料金はそこまで大きな節約効果は見込めませんが、長年払い続ける費用ですから、たとえ差額が小さくても見直しておいて損はありません。
こういうと「公共料金ってそもそも安くなるの?」と疑問に思われるかもしれません。
しかし電気もガスも自由化されているので、提供する会社は自由に選べます。
それまでは大手企業が独占的に電力もガスも提供していましたが(それはそれでメリットがある)、民主化されてからはいろんな会社でサービスが提供されるようになりました。
楽天とかHISとか。
そのため、お得なサービスを利用すれば公共料金も安くなります。
そしてサービスを選ぶ際は、今自分がどれくらい使っているのかを把握したのち、新しいサービスでシミュレーションをした上で選ぶといいでしょう。
ここだけはケチるな!
毎月の生活費は、とにかく下げればいいというわけではありません。
中には下げてはいけない費用もあります。
要するに、ここをケチると結果的に損をしやすいというような費用ですね。
食費
節約の第1歩として食費から削ろうとする人は多いですが、これはあまりおすすめしません。
確かに食費は抑えようと思えばいくらでも抑えることが出来ます。
例えば、毎日原価の安いパスタだけを食べるとか、食パンの耳で空腹を満たすとか。こんな風に我慢すれば、月5,000円で乗り切ることも無理な話ではないでしょう。
ただ、そんな食生活を続けていればどうなるかは火を見るよりも明らかですよね。間違いなくいつか体を壊します。
そしてそうなれば結局病院に通う必要が出てきて余計な出費が嵩み、節約をした意味がなくなります。
上記の例は極端ですが、言わんとしていることはお分かりいただけたでしょう。
つまり、食費をケチると長い目で見た時に健康を害すリスクがあるのです。
また食費を抑えるのは我慢比べになりやすいので、ストレスもたまりやすく、長続きしにくい。
以上のことから、ハッキリ言って食費はケチってもただ辛いだけですし、健康を害すリスクも孕んでいるので過度に削るのは得策だとは言えません。
自己投資
書籍代、資格やスキル獲得のお金、などといった自己投資費用も惜しまず使いましょう。
自身の教育にかけたお金は将来それ以上になって返ってくる可能性が大きいですから、ここはケチっても仕方がありません。
むしろ、自己投資は最も賢いお金の使い方と言われていますから、自身を成長させることには積極的にお金を使うくらいで丁度いいと思います。
世界長者番付常連で「投資の神様」と評されているあのウォーレン・バフェットも、自己投資の大切さについてこう語っています。
最終的にその他のどのような投資にも勝る投資は、自分自身への投資である
さらに投資の神様はこうも語っている。
能力をつけることによってあなたが10%、20%、あるいは30%高めた潜在力は、課税されてなくなることも、インフレによって失われることもない
生きている限り、持ち続けることができる
投資を知り尽くした人間が言うと重みがありますねぇ。
この発言から自分への投資というのは、最も費用対効果が高い投資先であり、奪われることのない資産であることが分かります。
その費用をケチってはいけません。
まとめ
というわけで以上が、固定費の見直し&削減方法の解説でした。
まとめると、削るべき固定費とは、
①住宅費
②保険料
③通信費
④公共料金
となります。
ぜひこれらから見直してみてください。
そして最後に。
固定費とは言ってしまえば人生における足枷のようなもの。
動きを鈍化させ、行動を抑制する厄介な費用です。
ただその割にすぐ削減できて、なおかつ節約効果も大きい。
というわけなので出来る限り固定費をスリム化させ、長期的にお金を貯めていきましょう。
以上、ではでは。