どうも、もぐらです。
各界の著名人が絶賛する本ということで、「失敗の本質」を読んでみました。すると参考に出来る部分が多々あったので、本書を紹介していくことにします。
Contents
失敗の本質とは?
今回ご紹介する「失敗の本質」は、アメリカとの戦争に惨敗した日本軍の脆弱性を詳細に暴き出し、そこから破綻する組織の特徴を言語化させるという試みのもとに書かれています。
本書は、1章では6つの局地的な大戦(ミッドウェー海戦、ガダルカナル作戦など)から日本軍の組織としての欠陥を解明し、2章では1章から導き出された失敗の原因・本質を分析。
3章では今日における組織の在り方・失敗から得られる教訓を書き記しています。
で、この記事では2章の失敗の本質に主軸を置き、失敗に至る5つのポイントとして紹介していきたいと思います。
なぜ失敗に至るのか?
ポイント1:曖昧な目的
失敗に至るポイントの1つ目は、曖昧な目的。
曖昧な目的とは、目的が不明瞭で確立されていない状態のことを言います。
では、なぜ曖昧な目的が失敗に直結するかというと、目的をしっかり定めないまま行動してしまうと、行動指針が不明確で行き当たりばったりになるから。
行動指針が不明確だと、行動に一貫性がなく目的地まで幾重にも回り道をすることになり、結果、目的を達成しづらいということ。
また目的が多重している場合(二重の目的)においても、同様なことが言えるそうで。
目的とはすなわち成功への道しるべ。それを曖昧にしたままでは当然ゴールにたどり着かないのです。
それだけ聞くと「そりゃそうだろ」と思われるかもしれません。
確かに一見当たり前のことを言っているように聞こえますが、目的を曖昧にしたまま何かを始める人は意外なほど多い気がします。
就職活動なんて最たる例で、
例えば大企業に就職したいと考えている人がいたとします。
彼は最初の方こそ大企業に絞って応募をかけていましたが、中々採用されず心が折れかけていました。
加えて、周りの就活生が次々と就職を決め、焦ってもいた。
その結果、彼は望んでいた企業からはるかに劣る中小企業を就職先に選び、腰を落ち着けることになった。
これは彼の当初の目的からすれば、就活が失敗したと言っていい。
ではなぜ彼が失敗したかというと、それは周りの雰囲気に押され、度重なる不採用にめげてしまったからです。
要するに途中で目的を忘れしまったから。
もし彼が最後まであきらめずに就活を続けていれば、大企業への就職も果たせていたかもしれません。
それは誰にも分からぬことですけど、一つ言えるのは目的を忘れたことにより早い段階で失敗(彼の中で)へとつながったということ。
このことからも分かるように、目的を曖昧なまま何かを始めたり、途中で見失ってしまうと失敗へと繋がるのです。
ポイント2:主観的な思考や空気に左右される
失敗のポイント2つ目は、主観的な考えと空気に左右されること。
主観的な考えとは、客観性を欠く自筆のシナリオと言えます。
それは言うなれば自分の思いたいよう、見たいように書いているシナリオなので、その通りに物事が転じることはほぼなく、現実にもコミットできていない。
それでは何かを成し遂げようと思って始めてみても失敗する確率が高くなります。
日本人が空気と呼ぶ共通概念にしても同じ。
俗にいう空気には根拠がなく感情によって形成されているので、論理に適っていません。
論理的に判断できなければ現実に符合しないので、成功への確率は極めて低くなる。
成功者の書いた書籍なんかを読んでいると、このことが痛いほどよく分かったりします。
成功者の本の大半に共通していることは、論理性の大事さで、いかに論理的に物事を見れるかだったりします。
つまり、成功者が成功者たる所以は、根拠のない感情的な選択を避け、論理的な判断をすることで成功への確率を上げている点にあるといえるでしょう。
このことからも主観的な考えや空気なるものが成功からほど遠いものであることが分かると思います。
少なくとも空気に左右される成功者を僕は見たことがないし、主観にしてもまたしかりです。
主観的な思考や空気に左右されると失敗に繋がる。
ポイント3:柔軟性のなさ
柔軟性がないと失敗に至りやすい。
理由は、柔軟性がないと一つの考え(本書では戦略と書かれている)に固執してしまうから。(目的は一つだけど、目的を実現させるための手段は色々あるという意味)
「このパターンは絶対正しいから今後はこのパターンでいこう」といったように。
それは、いままでのやり方でうまくいってればいっているほど如実で、既存の方法や考えに強固にしがみついてしまう。
しかしそうすると千変万化な現実(特にビジネスシーン)に適応できなくなり、間違った方法のまま間違った方向へ進むこととなります。
これは企業なんかでもよく聞く話ですよね。
民間企業がそれまでに成功を収めた商品やサービスに執着してしまい、そこから抜け出せなくなる現象は多方聞くと思います。
しかしそれはその商品だけの話かもしれないし、次も通用するとは限らないかもしれないのです。
そうならないためのポイントとしては、状況の変化に応じてプランや考え方を進化させていくことと本書には書かれています。
つまり、盛者必衰のビジネスシーンで勝ち抜くには現実に適合させていく柔軟性が必要ということでしょう。
ポイント4:学習意欲の欠如
失敗を放っておけば一生失敗のままです。
エジソンのあまりにも有名な名言「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」ではないですけど、失敗を成功の助けとなるよう昇華させてあげる必要がある。
失敗を失敗のままで終わらせないためには、なぜ過ちが起きてしまったのかを学習し、次に生かさなければならないということ。
失敗を客観的に分析し、上手くいかない方法として戒めにする。
これを怠っている人は、次も似たような失敗を起こすことは目に見えています。
本書によれば、この学習意欲の欠如は日本の教育システムが生み出していると論じています。要約すると、日本人は失敗から学ぶのが苦手ってこと。
それは日本の「模範解答」を求める教育の在り方、「足を靴に合わせる」かのような教育方法が結果として問題を創造する力を奪い、定型的な人間を作っているためです。
予定調和な人間は、平時では優秀ですが非常時には使い物にならない。
そうならないように受動的な学習を抜け出し、能動的に学びを得る姿勢を持ちましょう。
大切なのは問題提起を自ら行うということと、失敗から学びを得るということなのです。
ポイント5:プロセスや動機を重視した評価
組織において何を評価の基準にするかは重要な問題です。
失敗する組織というのは、この評価の基準をプロセスや動機に置いてしまっている組織と言えます。
簡単に言えば「努力したやつが一番偉い」という評価の仕方をしているということ。
では、プロセスや動機で人材を評価するとどうなるかといえば、結果的に精神論がまかり通る集団になります。
本書の言葉を借りれば、「大きい声が論理に勝る」こととなり、成果は二の次になりがち。
ただ、組織において何よりも大切なのは成果であって、頑張りではありません。
なぜなら成果がなければ組織運営も継続できないし、もっと言えば成果を求めるために組織は編成されているのだから。
その点戦時中のアメリカ軍は徹底的に結果にコミットして、戦果をあげた人物を評価していたようです。
アメリカ軍は、戦争において功績を残している人間が組織を引っ張れるような組織体制を築き上げ、徹底した成果至上主義を貫いたそうですよ。
こういう組織はモチベーションも維持しやすいし、結果が出るのも早いのかもしれません。
ここまでをまとめると、失敗する組織とは結果よりもプロセスや動機に評価を置いた集団と言えます。
まとめ
ざっくりと、そして本を読んだ上での個人的な解釈でここまで話を進めてきました。
僕個人の感想としましては、漠然と感じていた失敗に至るポイントを明確にしてくれたなって感じがしています。
偉そうに書いてきましたが、自分自身も実践できていない部分があるので、これからは本書を参考にしていきたいなと思った次第です。
皆さんには漠然とでも失敗の本質を理解してもらえたら嬉しい限り。進めて、成功するために役立てていただければさらに幸い。
失敗の本質をもっと正確に、もっと深く理解したいという方は是非本書を手に取ってみていただきたい。良書ですよ。