HSPのための書籍「敏感すぎる自分を好きになる本」を紹介する

HSPのための書籍「敏感すぎる自分を好きになる本」を紹介する, アンダーグラウンドより
書籍
生きてるのがちょっと楽になる。「敏感すぎる自分を好きになる本」の書籍紹介です。

どうも、最近になって自分がHSPという気質を持っていることに気づいた人間です。どうも。

今回はそんな僕が、HSPについて知るために読んだ良書を紹介していきたいと思います。

HSPの基礎知識を得るのに最適な書籍だと思いますので、あまり詳しくないという人には特にオススメっす。

HSPとは?

まず「そもそもHSPって何?」と疑問を持つ方もいると思いますので、簡単に説明しときます。

HSPとは一言で言えば、周囲の刺激や他人の感情に過剰に反応するという資質を持った人たちのこと。

H=ハイリー

S=センシティブ

P=パーソン

直訳すれば「生得的感受性をもつ人」という意味になるハイリー・センシティブ・パーソンという言葉の頭文字を取ってHSPと呼ばれています。

生得的、つまり生まれもって感受性が強い人達のことを指し、個人差はありますが光や音や匂いなどの外部からの刺激に過剰に反応するという特徴があります。

で、このHSPは人口の5人に1人いるらしく(これは日本だけでなく、どこの社会においてもそうらしい)それほど珍しくはないみたいで。

なので日本人の約2000万人はHSPということになって、30人集まれば大体HSPが6人くらいいるという計算になります。大雑把な計算ですけど、まぁそう考えてもらえると分かりやすいかなと。

超簡単に説明すると、HSPとはこのような気質をもった人達ということになります。

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本書はどんな本?

本書「敏感すぎる自分を好きになる本」は、上記の説明をさらに詳しく知りたいという方のために書かれた本です。

要するに、HSPについて一通り知りたい人が読むといい本。

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「敏感すぎる自分」を好きになれる本

  • 作者: 長沼睦雄
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2016/04/29

で、著者は精神科医をされている長沼睦雄さんという人で、HSPについては2000年(確か)からその特徴や概念に注目し研究され始めたのだそう。

HSP自体、まだあまり世間に浸透していないのもあり、筆者の研究している期間が長いというわけではありませんが(本人談)、精神科医をされているので人間の心理や精神分析には造詣が深く、本書のそこかしこでそれは散見されます。

概念が比較的新しいということもあって、HSPの専門家と呼べる人はあまりいないような気がするのですが、調べた感じだと日本では著者が最もHSPに精通した方といった印象です。

というよな方が著者です。

著者のことは分かった。

じゃあ肝心の内容を教えてくれってことですけど、

全部書いていたらとんでもなく長くなるので、以下からは本書の各章をちょっとだけ掘り下げていこうかなと思います。

1章:5人に1人いる敏感すぎる人たち

第1章はまず、HSPが持っている特徴を5つに分けて解説しています。

ただ先に言っておくと、全員が全員その5つの特徴を持っているのかというとそうではなくて、特徴には個人差があったり、発現の度合いも人によって違ったりします。

例えば、同じHSPでも光に弱い人もいれば大丈夫な人もいるという具合っす。

で、以下にその5つの特徴を。

1.刺激に敏感に反応する

2.人の影響を受けやすい

3.直観力がありひらめきが強い

4.慎重で、自分のペースで行動することを好む

5.内的生活を大事にする

以上5つの特徴を掘り下げているのが第1章です。

2章:過剰な敏感さが「生きづらさ」の原因だった

HSPの基礎知識を網羅した1章に対し、第2章ではHSPゆえに生じる「生きづらさ」について言及しています。

主に、生来の敏感さから生じる「生きづらさ」がどのように生まれるのかや、どのように悪化していくのかに終始していて、HSPの負の側面を客観的に述べています。

中でも個人的には質問されたらどう返すべきか返答に困るという記述が興味深かったです。

HSPは質問という刺激を受けた場合、その質問に対する答えがいくつも頭の中に浮かんで、適切な答えを出すのに時間がかかるそうです(全員そうとは言えない)。

で、そういう気質ゆえにあらゆる場面で「生きづらさ」を募らせているという筆者の洞察はまさにそうだなと思いました。

というように、2章はHSPの「生きづらさ」に着目しているので、もし自分がそうかもしれないという人は、おそらく共感できる部分が少なからずあるのではないかと。

3章:敏感すぎる自分に振り回されずに生きるには

第2章ではHSPであるがゆえの「生きづらさ」に焦点を当てていると言いました。

第3章ではその「生きづらさ」を感じないようにするために大切な、メンタル面でのアドバイスだったり、考え方が記載されています。

要するに、HSPである自分と上手く付き合っていくにはどうすればいいか書かれているということ。

HSPは現代社会では生きづらさを感じ、自己肯定感が育まれづらい。ゆえに、それをどうにしかして回避していかなければいけません。

生き方を変えるのか、働き方を変えるのか、自分が置かれている環境を変えるのか、自分がどうすれば生きやすいと感じることが出来るのか、3章を読めば、改めて考えるきっかけになると思います。

4章:敏感な人が陥りやすい15の「困ったこと」の対処法

4章はより具体的なアドバイスが書かれています。

とりあえず1つ紹介しましょう。

悩み:①人の気分に左右されやすい

対処法:HSPは人の感情をモロに受けやすいので、そういう人がいると分かったら、極力近づかないようにする。

どうしてもの場合は、意識的に感情に引っ張られないようにする。仕事での関りだと、用件に集中するなどして避ける。

それでも影響されてしまったら、「ライオンの吐き出し」といわれる心理技法を用い、感情の整理をするといい。

ライオンの吐き出し

目の前に架空のゴミ箱があるとイメージし、前かがみになる。次にライオンが吠えるときのように、思い切り舌を前に突き出し、マイナスの感情を一気に腹の底からウエーと声を出して、吐き出す。マイナスの気分が実際に吐き出されていくさまをしっかりとイメージしながら行うのがコツ。これでマイナス感情が軽減される。あと、行うときはもちろん誰も見ていないところで(笑)

というように、1つの悩みに対して、適切な回答がそれぞれ書かれています。

ちなみに、残り14個の悩みも羅列しときますね。

②大人数の飲み会や会合で気後れする

③予定変更にパニックになってしまう

④まわりの人にHSPを理解されない

⑤友達が狭い範囲に少ししかいない

⑥職場でまわりの目が気になる

⑦小さなミスにもはげしく動揺する

⑧一度に複数のことが出来ない

⑨ミスが怖くて仕事に時間がかかる

⑩仕事を頼まれると断れない

⑪好きな人に本音で話せない

⑫眠れない、眠りが浅い

⑬人混みで疲労困憊する

⑭体調がすぐれない

⑮カウンセリングで楽になりたい

HSPの方は何個か当てはまると思います。個人的には②⑤⑨⑪⑫⑬が特に当てはまっていましたね。

5章:あなたの身近な人が「とても敏感な人」だったら

第5章は身近な人がHSPだった場合、どう接すればいいかが書かれています。

僕はこの章を読んでいて、「ああ確かにこういう対応してくれれば助かるな」と思えたので、パートナーの方だったり、子供がHSPだという方がこの対処法を実践しても結構効果的だと思います。

全然本書とは関係ないし、全般の人に言えるかは分かりませんけど、HSPはルールというか、ある条件が満たされると感情が昂るという特性があって、それを知らない人には誤解されやすい気がします。

なので、パートナーがHSPだというときはそのルール・パターンを共有するなどすれば、上手くいきやすいのかなと僕なんかは思いますよ。

5章は、HSPを身近に持つ人が読むと参考になる内容になっています。

読んだ感想

色々と参考になることが多かったです。

動物の中にもHSPがいるとか、HSPの中でも刺激の反応には個人差があるとか、HSPの特性がときにカナリアに例えられるとか。

HSPについての知見を広げることが出来たような気がします。

ただ深く掘り下げて知りたい人向けというよりは、入門書的な位置づけなので、僕のように、あまり詳しくない人におススメの本といった感じでした。

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